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戸建にする?マンションにする?

戸建とマンション、いったいどちらがいいのでしょう?
基本的に好みで選んでOKですが、それぞれメリットとデメリットが。ライフスタイルに合わせて選んでいきましょう。

戸建
  将来のライフスタイルにあわせて自分の好きなようにリフォームや増築ができる
子供がさわいでもあまり気にしなくて大丈夫
駐車場が敷地に確保されているので雨の日もラク
建物が古くなっても、最終的に土地は残る(建替OK)
  なにもかも自分でメンテナンスしていかなくてはならなくてめんどう
防犯にかなり気をつかわなければならない
とりあえずなんでも個人負担でお金はかかる
マンション
  旅行にでかけるときにカギ一本でラクラク
オートロック、防犯カメラ等、セキュリティーの面で安心
修繕計画があるからメンテナンスが安心
スケールメリットでメンテナンス費用が割安
  しかたがないことだけど、管理組合の集まりとかがめんどう
リフォームするにも管理規約などの制約がある
上下左右のお家と壁一枚でちょっと気をつかう

エリアはどうする?

さて、次に考えるのはどのエリアで買おうか?ということになりますね。
漠然と思い描かれているとは思いますが、実際に住んでみてわかることも多いのです。

 
  最寄駅が始発がある駅だったので座って通勤できる
駅から遠くて買い物は車を覚悟していたら、近くに大型ショッピングセンターができた
新しい住宅街だったので、同世代が多くてママトモがたくさんできた
まわりにお店は少ないけれど、夜が静かで快適
  駅から近いエリアで便利なのはいいけれど、こどもを遊ばせる公園がない
小学校まで歩いて30分かかる
終電、終バスの時間がはやくて、タクシー代がばかにならない
最寄路線の鉄道運賃がやたらに高い

いくらまで買える?

それでは、一番肝心な予算についてかんがえてみましょう。
多くの方はローンを申し込まれると思いますので、ここではそれを前提にガイドします。

まず、不動産購入プロジェクトにかかるお金の全体像をかんがえてみましょう。
広告に書かれている金額だけでは実は足らないのです。

  プロジェクト予算 = 不動産本体価格 + 諸費用(契約関係の手数料・税金) + インテリア・引越し代など

一番わかりずらい費用のナンバーワンは「諸費用」ですね。
物件タイプによって多少前後しますが、通常、不動産本体価格の5~10%といわれています。

             プロジェクト予算 = 不動産本体価格 × 105%~110%

ちなみに諸費用の内訳はこのような感じです。

印紙税売買契約書や工事請負契約書、ローン契約書に貼り付ける印紙代。
不動産取得税土地建物にかかる地方税。購入後しばらくすると納税通知書がきます。
登録免許税土地、建物の登記や抵当権の設定登記にかかる税金です。
司法書士報酬登記の手続きを司法書士に依頼する場合、司法書士へ報酬が必要。
火災・地震保険料ローンを組む場合には必須ですが、これは是非入っておきたいですね。
引越し代忘れがちですが、必ずかかりますね。
仲介手数料不動産会社に支払う手数料。不動産会社が売主の場合かかりません。
消費税課税される場合、不動産本体価格に総額表示されています。
ローンの事務手数料住宅ローンを組むときに銀行に支払います。
ローンの保証料ローンの金利に上乗せされている場合が多いです。
団体信用生命保険料ローンの保証料同様、金利に上乗せされている場合が多いです。
固定資産税・都市計画税引渡日で日割り計算して清算することが一般的です。
土地家屋調査士報酬新築建物の登記を行うための測量費用です。
水道負担金開発された分譲地のとき、負担する場合があります。
修繕積立基金新築マンションの場合、購入時に一括で支払うことが一般的。
家具・家電の購入費用カーテンなどのインテリアも。カーテンレールがオプションの場合もあり。

ここで気になる自己資金のお話です。まず、プロジェクト予算の資金手当てを考えます。

    プロジェクト予算 = 自己資金(自分たちのお金 + もしかして親からの援助?) + 住宅 ローン

住宅ローンは種類や申込者によっても違いますが、だいたい不動産本体価格の80~90%程度までをめどに融資してくれます。
フルローン(本体価格の100%)や諸費用までカバーするオーバーローン(100%以上)というのもありますが、無理をするとあとあと大変です。ここは背伸びせず堅実に!あとはすこしだけ親に期待?
自己資金についてまとめると、このような目安になりますね。
   自己資金 = (不動産本体価格 × 10~20%程度) + 諸費用 = 不動産本体価格 × 15%~30%

最後に住宅ローンのお話です。それで銀行は一体いくら貸してくれるんでしょう?
銀行から各不動産会社に配られている借入可能額の資料をこっそりお見せしましょう。
給与収入の方で元利均等方式での返済を利用する場合のものですが、だいたいの目安にはなります。

借入期間35年30年25年20年15年
世帯年収 350万円の場合2,300万円2,130万円1,930万円1,680万円1,380万円
世帯年収 400万円の場合2,630万円2,440万円2,210万円1,920万円1,570万円
世帯年収 450万円の場合3,380万円3,140万円2,840万円2,470万円2,020万円
世帯年収 500万円の場合3,760万円3,490万円3,150万円2,750万円2.250万円
世帯年収 550万円の場合4,140万円3,840万円3,470万円3,020万円2,470万円
世帯年収 600万円の場合4,510万円4,180万円3,780万円3,300万円2,700万円
世帯年収 650万円の場合4,890万円4,530万円4,100万円3,570万円2,920万円
世帯年収 700万円の場合5.260万円4,880万円4,420万円3,850万円3,150万円

それでは結論です。
              購入できる不動産本体価格 = 借入可能額 ÷ 80%~90%
         用意する自己資金 = (借入可能額 ÷ 80%~90%) × 15%~30%

ローンの支払いは?

借りるのはいいけど、毎月いくらくらいの返済になるの?月返済額の早見表を参考に簡単に計算できます。
適用金利と借入金額の交差する金額が100万円あたりの月返済額ですので、以下のようになります(元利金等方式)。

                   月返済額 = 借入金 ÷ 100万円 × 下表の数字

借入期間35年30年25年20年15年
適用金利 1.5%3,061円3,451円3,999円4,825円6,207円
適用金利 2.0%3,312円3,696円4,238円5,058円6,425円
適用金利 2.5%3,574円3,951円4,486円5,299円6,667円
適用金利 3.0%3,848円4,216円4,742円5,545円6,905円
適用金利 3.5%4,132円4,490円5,006円5,799円7,148円
適用金利 4.0%4,427円4,774円5,278円6,059円7,396円

中古がいい?新築がいい?

もうひとつ検討することがあります。中古にするか、それとも新築にするか、です。

中古
  なにより、新築よりも割安!
実際にモノを見てから決められる(周辺の環境やお隣さん)
マンションの場合、すでに管理が行われているので管理体制が実際に確認できる
戸建の場合、その建物が注文建築であれば上質なものがリーズナブルに手に入る
  新築住宅の固定資産税・都市計画税の軽減がない場合がある
設備の更新、リフォームが必要な場合がある
キズひとつなくまっさらがいい人には向かない
新築
  なにより、すべて新品!
新築住宅の固定資産税・都市計画税の軽減がある
注文建築の場合、思い通りのプランで建てられる
最新の設備が導入されている
  どうしてもちょっと割高になってしまう
実際のモノを見ずに購入することも多い(イメージと違ったり、お隣さんが・・・)
シックハウス対策が必要

物件探しの方法は?

ほしい物件のタイプ、エリアや予算がかたまってきたら、いよいよ物件さがしです。

広告にはいろいろな情報が記載されていますが、気をつけるべき注意点をすこしだけアドバイス。
あくまで広告ですので、いいことばかり書いてあることは忘れないように。

所在地「地番表示」がほとんどで「住居表示(郵便の届く住所)」とは違うので注意が必要です。中にはモデルルームの場所しかわからないことも。
交通(最寄駅)最寄駅から徒歩表示となっています。80m=1分の計算になっているので、女性や子供の足ではもう少しかかるかもしれません。
価格価格帯での表示や最高価格~最低価格で表示されることがほとんどです。欲しい物件の価格はモデルルームにいかなければわかりません。
総戸数マンションの場合、実際に分譲される住戸数のほか、地権者さんなどの建設協力者の住戸、管理事務室が表示されています。
間取り法律により居室と認められない部分をS(納戸)やらDen(書斎)と言ったりします。間取り図でしっかりチェックして。
交通案内図新宿まで○○分、といった表示の下に小さい字で「所要時間には乗り換え・待ち時間は含まれません。」とあるはずです。
現地案内図公園、学校、病院、スーパーのみ描かれた地図です。ところかまわず緑が配置されていたりするので普通の地図でもしっかりチェック。
敷地の権利形態敷地が所有権なのか、借地権なのかはしっかりチェックしましょう。借地権の場合、月々の地代が発生します。
管理形態マンションの場合、管理を委託することがほとんどです。大体、売主の関連企業が請け負います。あとで管理会社を変更することもできます。
専有面積マンションの場合、部屋以外のトランクルームなどが含まれていることも。生活面積といってバルコニー面積が含まれていることもあります。

不動産屋さんへGO!

不動産屋さんにどんなイメージがありますか?ちょっとこわそう?そんなことはないですよ。
よかった! 失敗した・・・ どんな不動産会社でしょう。

  同世代の担当さんで相談しやすかった
まわりの相場などの資料をたくさん出してくれた
いいことだけでなく、デメリットについても説明してくれた
こちらがどんな希望をもっているか理解してくれた
  営業がしつこすぎる
こちらの希望をぜんぜん聞いてくれない
あせらせるようなことばかり言って、申込み金を入れさせたがる
なんだか上から目線で話された (もしかして素人だからバカにされてる?)
いい物件探しはいい不動産会社探しから、です。
担当さんによって対応がまったく違うことも多いですが、不動産を購入した先輩がいれば、リサーチしてみては。

購入の流れ

現地見学も終わりほしい物件がきまったら、いよいよ購入です。あせらず、しっかりとした計画で進めましょう。

まず、プロジェクト予算を希望物件で組みなおします。
5年後、10年後に無理のない資金計画であるかどうかの確認をわすれずにしましょう。
住宅ローンを利用する場合、銀行に事前に審査してもらい、借入額の内諾をもらいます。

プロジェクト予算の再確認  将来の資金計画チェック  銀行の事前審査

プロジェクト予算に問題がないことが確認できたら、購入申込書を記入して売主に提出します。
購入代金の支払い方法や引渡しの時期などの契約条件は不動産屋さんに調整してもらいます。
もちろん、購入代金の交渉をしてもらうことも忘れずに。

              購入申込書  契約条件の調整  購入金額の交渉

売買契約に先立って、物件についての重要な事項を不動産屋さんに説明してもらいます。
この段階までに知っていることがほとんどのはずですが、もし初耳なことがあれば必ず確認します。
万が一、内容に不安がある場合、再調査・再説明をしてもらってください。

      重要事項説明書  不安な場合は必ず再調査依頼  理解するまで印鑑は押さない

物件について十分理解したら、いよいよ売買契約です。
契約書に買主・売主の双方が署名押印して、手付金を支払って契約が成立します。
以後はこの契約の規定にしたがって代金の支払や引渡しを受けたりしていくことになります。

        不動産売買契約書  手付金  以後、自己都合のキャンセルはお金がかかる

ここで売買契約、ローン申込み、引渡しまでに用意しておく主なものをまとめておきます。
契約までの間に時間をみつけて準備しておきましょう。
とくに役所関係は平日に準備する必要があるので注意です。
契約時  ローン申込み  引渡し

印鑑契約時ローン申込み引渡し 実印がベターです。また、ローン申込みは必ず実印。
手付金契約時 現金が一般的ですが、預金小切手という方法もあります。
印紙代契約時ローン申込み 売買金額、融資額によって異なります。
仲介手数料契約時引渡し 引渡し時に支払うことが一般的。
住民税決定通知書ローン申込み ローン申込みに必要。
収入証明(所得証明)ローン申込み源泉徴収票などのことです。
印鑑証明書ローン申込み引渡し ローン申込みのほか、登記の際に必要。
住民票引渡し 登記の際に必要。
各種精算金引渡し 固定資産税などの日割り精算金。
残代金引渡し ローン利用の方は気にされなくてOK。

契約がすんだら次はローン申込みです。
書類をもって、指定の銀行に出向くことになります。
審査はおわっているので、書類の記入が中心の作業ですが、平日の日中に時間をつくることになります。

               ローン申込書  必要書類の確認  日程の調整

物件の状況の最終確認を行ったあと、残代金を支払い、物件の引渡しを受けます。
このときに付帯設備表・物件状況報告書との記載内容の一致や隣地との境界の明示はもちろん、設備やライフラインの使用方法やトラブル時の連絡先なども確認します。

     契約内容との一致  隣地との境界の明示  設備・ライフラインの使用方法・連絡先

登記申請書類の確認物件を購入したら法務局に所有権を登記します。登記の申請については必要書類を司法書士にわたして代行してもらいます。
残代金の支払い売買代金から手付金を差し引いた残額を支払います。ローン利用の場合は、口座に融資額が振り込まれますので、そこから支払います。
固定資産税などの精算司法書士に登記費用を支払うほか、固定資産税・都市計画税やマンションの場合の管理費・修繕積立金を日割り計算で精算します。
関係書類の受取り土地測量図、建物竣工図、パンフレット、付帯設備の保証書・取扱説明書、マンションの場合の管理規約などを受け取ります。
かぎの引渡し物件のかぎを受け取り、不動産引渡確認証に売主・買主が署名捺印します。これで引渡しが完了となります。
引渡しの際の火災・地震保険や殺虫消毒などの意図しないオプションにくれぐれもご注意ください。

物件の事前調査

ほしい物件は決まったけど、いざとなると本当に買っても大丈夫なのか不安。


お願いした不動産屋さんはなかなか悪いことは言ってくれないし、不動産にもお医者さんのようなセカンドオピニオンがあればと思っている人が増えています。
たとえば、マンションの内覧に同行してくれる調査会社など、テレビでもよく特集されていますね。
いっときの妥協でずっとガマンということがないように、当社でも第三者の立場での物件調査を承っています。

不動産の面積(数量)購入する不動産の面積が正しいか、現地や各種資料と照合します。
土地の境界境界確定状況について問題がないか調査します。
所有者(売主)売主の属性や売却の理由などを調査します。
第三者占有の有無物件に所有者以外の何者かがいないか確認します。
公法規制建てられる建物の大きさや用途の制限などを調査します。
道路との関係接面する道路の種別や幅員などを調査します。
地盤・高低差地盤の状態や高低差を調査します。
土壌汚染リスク過去に工場などが立地していなかったかどうかを調査します。
建築確認・検査済証建物が合法的に建てられているかどうかを調査します。
災害ハザードマップ想定される災害の発生可能性などを調査します。
周辺の嫌悪施設風俗店、工場、墓地、鉄塔などの嫌悪施設がないかを調査します。
騒音等の懸念施設工場はもちろん、最近では低周波音騒音も問題になっています。
昼間・夜間の状況なかなか把握しずらい夜間の状況も調査します。
有害物質使用リスク築年、構造、外観からアスベストやPCB使用のリスクを確認します。
地元精通者意見聞込みを行い地元精通者にしか把握できない情報を確認します。
周辺の相場土地相場、賃貸相場などを調査します。
購入妥当金額購入価格として妥当な価格帯を調査します。
その他取引・使用にあたって特に問題となるリスクを確認します。

物件の調査はおねがいした不動産屋さんが行い、重要事項として説明することが法律で決まっています。
ただし、法律で決まっている調査事項は最低限度のものです。
リスクを軽減するためにこのようなセカンドオピニオンサービスを利用することも有効ですね。
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